退屈なテロリズム

5限目。数学の授業中に突然開いた窓からガス弾が投げ込まれた。間もなく教室の窓ガラスを突き破ってガスマスクで武装した人間たちがなだれ込んできた。
すぐに教室のスピーカーから

「本校にてテロが発生。生徒は直ちに...」

という事務員の声と彼の悲鳴、生々しい銃声が聞こえ、あたりはしんとした。
呆然と机に座っている僕たちにテロリストのリーダー格であろう男が叫んだ。

「全員動くな、反抗した者から殺す。」

正義感の強い数学教師が何かを言おうとしてテロリストに近づいた瞬間に拳銃で撃ち殺された。隣の教室からも女子生徒の叫び声と銃声。社会科教室の方向からも発砲音がした。どうやらあちこちで人が殺されているようだ。

全校生徒が体育館に集められた後で、両手の爪を剥がされて情けなく泣いている校長がステージに立たされて言った。

「今回の一連にわたるテロルにより、我々はある要求を受け入れました。それは、今日からこの学校を......廃止と致すことです。」

恐怖でなおも泣きじゃくる校長がライフルで撃ち殺された。代わりにリーダー格の男が出てきて

「そういうことだ。そしてこれより我々はお前たちを拉致する。」

と言い、ガスマスクを外した。
驚いたことにその男は、隣町の進学校へ進んだ僕の同級生だった。

数ヶ月後、県内のある学校がテロ集団によって占拠された。その時に僕は校長にナイフを突き出してこう言った。


「我々の要求を受け入れろ。今日からこの学校を......」